精神科や心療内科は、設備投資があまり必要でないため開業資金を抑えることができますが、時間当たりの単価が低いのが特徴です。
心療内科に来院される患者さんの多くは、人に知られたくないためプライバシーに配慮をすることが重要になります。大通りから一本入った2階以上のテナントで開業することはもちろんのこと、待合室のレイアウトにも気を配ることが必要です。また、患者さんの多くは、インターネットでクリニックを探すため「この先生に相談したい」と思うようなHP作りが欠かせません。「通院・在宅精神療法」の診療報酬が引下げられる傾向にある中、今後の安定経営を続けるためには、院長先生が診療に専念できるよう、臨床心理士や精神福祉士などを上手に活用し、効率よく運営することが重要になります。
F先生は、丁寧な診療を心掛けた結果、開業後1年後で月平均外来患者数40人/日、単価5,000円をクリアでき順調なスタートを切ることができました。
心療内科・精神科の特徴
Model Case
都内のビルで開業したF先生。患者様との対話を通じて、信頼関係を築きながら治療を進め、「患者様1人1人の明日を生きる力を育むお手伝いをしたい」と熱い想いをお持ちです。また、薬物療法と併せて、臨床心理士によるカウンセリングにも力を注ぎたいと考えています。
金額単位:千円 ※テナント25坪 |
費用 | 資金調達 | ||
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土地取得 | 0 | 自己資金 | 2,806 |
内装工事費 | 8,190 | 銀行融資 | 17,500 |
医療器機 | 4,000 | リース | 4,000 |
什器・備品 | 1,000 | その他 | 0 |
開業準備金 | 2,806 | ||
敷金 | 3,740 | ||
運転資金 | 4,570 | ||
総事業費 | 24,306 | 調達合計 | 24,306 |
経営数値 | 金額単位:千円 |
項目 | 開業1年目 | 開業2年目 | 開業3年目 | ||||
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金額 | % | 金額 | % | 金額 | % | ||
A | 医業収入 | 37,952 | 100% | 49,825 | 100% | 51,255 | 100% |
B | 保険収入 | 37,952 | 100% | 49,825 | 100% | 51,255 | 100% |
C | 自費収入 | 0 | 0% | 0 | 0% | 0 | 0% |
D | 変動費(薬品・診療材料費等) | 22 | 0% | 0 | 0% | 21 | 0% |
E | 粗利益(A-D) | 37,930 | 100% | 49,825 | 100% | 51,234 | 100% |
F | 人件費(職員分) | 2,957 | 8% | 5,195 | 10% | 5,854 | 11% |
G | 地代・家賃・駐車料 | 5,051 | 13% | 5,369 | 11% | 6,351 | 12% |
H | リース料 | 800 | 2% | 800 | 2% | 732 | 1% |
I | 広告宣伝費 | 927 | 2% | 367 | 1% | 277 | 1% |
J | 減価償却費 | 1,697 | 4% | 1,620 | 3% | 1,605 | 3% |
K | その他経費 | 6,679 | 18% | 6,210 | 12% | 5,838 | 11% |
L | 固定費合計(F~K) | 18,111 | 48% | 19,561 | 39% | 20,657 | 40% |
M | 事業所得(E-L) | 19,819 | 52% | 30,264 | 61% | 30,577 | 60% |
N | 所得税・住民税 | 6,364 | 17% | 11,586 | 23% | 11,743 | 23% |
O | 借入金返済額 | 2,616 | 7% | 2,616 | 5% | 2,616 | 5% |
P | 可処分所得(M+J-N-O) | 12,536 | 33% | 17,682 | 35% | 17,823 | 35% |
SUPPORT POINT
担当している患者さんを継続して診療したいと考え、勤務病院に近いところで開業を検討していたF先生。患者様にリラックスしてもらいたいとの考えから内装にも強いこだわりがあります。そこで、想定する患者層やコストなど先生と一緒に考え、設計会社と打ち合わせを重ねました。木と漆喰に囲まれた診療所は、患者さんにも評判がよく納得のスタートを切ることができました。