ますます競争が激化する中、クリニックをより発展させていくためには先生の経歴や強みを基軸として、目指す診療方針などを明確にすることが大切です。クリニックの方向性が決まれば、開業場所や設備、スタッフ数、必要資金等が具体的に見えてきます。また、求めるスタッフ像も明確になり採用や研修の指針にもなります。
H先生の場合、「より一歩んだ専門性の高い医療を患者様に納得して受けてもらいたい」と熱い理念をお持ちです。そのため、画像を用いた分かりやすい説明ができるよう画像ファィリングシステムと電子カルテを連携することにしました。また、いびきのレーザー治療などより専門性の高い診療もスタート。スタート当初は、資金繰りに苦労したF先生ですが、HPに医療コラムなどを執筆するなど積極的なPRが功を奏し、開業1年で月平均外来患者数25人/日、単価12,000円をクリアでき、順調なスタートを切ることができました。
耳鼻咽喉科の特徴
Model Case
お父様の耳鼻咽喉科を承継することになったH先生。当面の心配はありませんが、今後の事を考え自院の特色を打ち出したいとお考えです。そこで、勤務医時代の経験を活かし、睡眠時無呼吸症候群の診察をスタート。それに伴い、診療スペースを拡大、医療器械の購入をしました。
金額単位:千円 ※テナント65坪 |
費用 | 資金調達 | ||
---|---|---|---|
土地取得 | 0 | 自己資金 | 0 |
内装工事費 | 35,000 | 銀行融資 | 50,000 |
医療器機 | 30,000 | リース | 30,000 |
什器・備品 | 5,000 | その他 | 0 |
開業準備金 | 0 | ||
敷金 | 0 | ||
運転資金 | 10,000 | ||
総事業費 | 80,000 | 調達合計 | 80,000 |
経営数値 | 金額単位:千円 |
項目 | 開業1年目 | 開業2年目 | 開業3年目 | ||||
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金額 | % | 金額 | % | 金額 | % | ||
A | 医業収入 | 88,432 | 100% | 125,402 | 100% | 158,178 | 100% |
B | 保険収入 | 85,900 | 97% | 121,590 | 97% | 154,082 | 97% |
C | 自費収入 | 2,532 | 3% | 3,812 | 3% | 4,096 | 3% |
D | 変動費(薬品・診療材料費等) | 28,347 | 32% | 40,875 | 33% | 49,625 | 31% |
E | 粗利益(A-D) | 60,085 | 68% | 84,527 | 67% | 108,553 | 69% |
F | 人件費(職員分) | 16,039 | 18% | 17,850 | 14% | 23,108 | 15% |
G | 地代・家賃・駐車料 | 9,600 | 11% | 9,600 | 8% | 9,780 | 6% |
H | リース料 | 6,000 | 7% | 6,000 | 5% | 6,280 | 4% |
I | 広告宣伝費 | 2,480 | 3% | 3,210 | 3% | 2,940 | 2% |
J | 減価償却費 | 3,516 | 4% | 3,265 | 3% | 2,857 | 2% |
K | その他経費 | 8,540 | 10% | 9,470 | 8% | 10,263 | 6% |
L | 固定費合計(F~K) | 46,175 | 52% | 49,395 | 39% | 55,228 | 35% |
M | 事業所得(E-L) | 13,910 | 16% | 35,132 | 28% | 53,325 | 34% |
N | 所得税・住民税 | 5,020 | 6% | 13,250 | 11% | 23,620 | 15% |
O | 借入金返済額 | 5,000 | 6% | 10,000 | 8% | 10,000 | 6% |
P | 可処分所得(M+J-N-O) | 7,406 | 8% | 15,147 | 12% | 22,562 | 14% |
SUPPORT POINT
お父様のクリニックを承継することになったH先生。直近の心配はありませんが、今後のことを考えより専門性の高い診療をスタート。新しくなったクリニックを患者さんに知って頂けるようHPの積極活用をアドバイスしました。先生の優しい人柄が伝わるHPにより初診患者さんが目に見えて増加しています。口コミによる患者さんの紹介も増えたため、より効率的に診察ができるようスタッフ採用を増員しました。