眼科の場合、手術の有無によって、導入機器などの初期投資額が3,000万円以上変わります。また、1人当たりの単価は4,000円以上異なります。手術ができれば収入は増えますが、その分設備投資が多額にかかるためキャッシュフローを圧迫します。そのため、専門性を重視した診療行為に特化するか、地域のかかりつけ医として広く診療を行うか戦略を決めることが大切です。
C先生の場合、高齢者の多い住宅地で開業したことが成功要因の1つでした。もちろん、子供から大人まで広い範囲の診療を行いますが、若年層に比べ、飛蚊症などの比較的診療単価が高い中年・高齢者の患者さんが集められたからです。C先生は、1年半で目標とされる月平均外来患者数50人/日、単価6,000円をクリアでき順調なスタートを切ることができました。
眼科の特徴
Model Case
都内のベットタウンで開業したC先生。目の病気は、早い段階での治療が大切なため、軽い症状でもしっかり検査を行い、地域のかかりつけ医として少しでも多くの患者さんの目を守りたいと熱い思いをお持ちです。また、手術など高度な医療が必要な場合は、出身大学の病院に紹介する予定です。
金額単位:千円 ※テナント40坪 |
費用 | 資金調達 | ||
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土地取得 | 0 | 自己資金 | 25,797 |
内装工事費 | 15,855 | 銀行融資 | 5,500 |
医療器機 | 8,490 | リース | 8,490 |
什器・備品 | 4,246 | その他 | 0 |
開業準備金 | 2,576 | ||
敷金 | 2,760 | ||
運転資金 | 5,860 | ||
総事業費 | 39,787 | 調達合計 | 39,787 |
経営数値 | 金額単位:千円 |
項目 | 開業1年目 | 開業2年目 | 開業3年目 | ||||
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金額 | % | 金額 | % | 金額 | % | ||
A | 医業収入 | 34,853 | 100% | 65,953 | 100% | 83,101 | 100% |
B | 保険収入 | 33,998 | 98% | 65,479 | 99% | 82,904 | 100% |
C | 自費収入 | 855 | 2% | 474 | 1% | 197 | 0% |
D | 変動費(薬品・診療材料費等) | 3,338 | 10% | 11,516 | 17% | 18,500 | 22% |
E | 粗利益(A-D) | 31,515 | 90% | 54,437 | 83% | 64,601 | 78% |
F | 人件費(職員分) | 7,691 | 22% | 11,111 | 17% | 13,120 | 16% |
G | 地代・家賃・駐車料 | 6,408 | 18% | 6,408 | 10% | 6,451 | 8% |
H | リース料 | 1,698 | 5% | 1,812 | 3% | 2,224 | 3% |
I | 広告宣伝費 | 1,771 | 5% | 673 | 2% | 1,519 | 2% |
J | 減価償却費 | 2,535 | 7% | 2,268 | 3% | 2,635 | 3% |
K | その他経費 | 4,427 | 13% | 7,577 | 11% | 8,424 | 10% |
L | 固定費合計(F~K) | 24,530 | 70% | 29,849 | 45% | 34,373 | 41% |
M | 事業所得(E-L) | 6,985 | 20% | 24,588 | 37% | 30,228 | 36% |
N | 所得税・住民税 | 1,215 | 3% | 8,748 | 13% | 11,568 | 14% |
O | 借入金返済額 | 852 | 2% | 852 | 1% | 852 | 1% |
P | 可処分所得(M+J-N-O) | 7,453 | 21% | 17,256 | 26% | 20,443 | 25% |
SUPPORT POINT
ご自身のご両親が所有している土地での開業を検討していたC先生。開業地が決まっているため、診療圏調査を行い地域で求められる医療ニーズをアドバイス。比較的高齢者の多い地域であったため、内覧会やチラシなどを利用し、加齢黄班変性症や飛蚊症などの治療の重要性を積極的にアピールしたことにより、順調なスタートを切ることができました。